親子の相性:子育てを幸せに終えるために知っておきたい離れ方/占星術:ホロスコープ
親子。
永遠に繋がっているものと無意識レベルにはあるのですが、現実はいつか終わりが来る、いつか訪れるであろう「終わり」を意識しています。
親が望むのは、子どもが健全な成長による巣立ち。
子どもが望むのは、希望にあふれた巣立ち。
こんな子育ての終わりを叶えたい…叶えるためにはどうしたらよいか?
それは、親も子も「変わっていくこと」だと私は考えます。
ちなみに、親子について記事を書いているのは、私自身が親としても子としても奮闘してきた人生で、失敗も後悔もしてきたからです。決して、成功者として書いているわけではないので、ご理解の上お読みいただけたら幸いです。
目 次
変わっていくべき理由
誰でも変わっていく必要がある理由としては、子どもは心も体も成長を続け変化していくからです。
変わることをためらっていては、望むような子育ての終わりを迎えることはできません。
しかしながら、変化していると自覚できるのは、時間や食事、学業、労働、余暇、お金の使い方といった生活を維持するための変化が大半を占めるはずです。
この部分は、子どもの肉体的成長に伴う、目に見えて必要だと理解し変わっているものなので、大抵の親も子も自然と受け入れ変わることができると思います。
ところが、ここに精神に影響する要因が加わって来ると、変わっているつもりにはなるのですが、変わってはいないことが多々あります。
子どもには徐々に意志が芽生え、やがては親を評論できる知性を身につけていきます。心理学では、10歳で大人と同等の知性を身につけると言いますので、そのころには、十分に親を評定することができるようになると考えてよいでしょう。
占星術・心理学が示す発達のステップ
1800年の終わりごろから、精神を扱う学問である心理学が発展し始めました。この頃の有名な心理学者には、フロイトやユングがいます。
ユングが占星術と心理学を結び付け確立した理論(タイプ論・元型論)は、心理学の発展のみならず、占星術をも一般化させていく第一歩を作ったと言ってよいと思います。
この記事で取り上げたいのは、ユングより少し後の心理学者になりますが、アメリカで青年の心理療法に取り組んだデンマーク人で、発達心理学を専門とするエリク・H・エリクソンという人が確立した『エリクソンの心理学社会的発達理論』です。
エリクソンが占星術に精通していたかどうかはわかりませんが、非常に似通った理論で相応しています。
占星術では、10天体の天体同士の関係や天体が示す環境などをもとにして、その人の性質や行動、能力などを分析していきますが、成長に応じて、関係性の強い天体が変わっていくとされています。
天体が成長に必要なエネルギーを送り、人間がそのエネルギーを刺激として受け取り、置かれている社会や環境、対人関係の中で自分の感情や能力、性質を育てていくという考え方です。
人間の成長段階に応じて、必要な天体と関わるようになっていることがわかると思います。
今回は、月、水星、金星のエネルギーが発達にどのように作用しているのか?について書いていきます。
月のエネルギーを受け取る時期
幼少期は、母親とのかかわりが大事とよく言います。月は、気持ちを表わす天体です。0~7歳は、ごく身近な人たちとのかかわりしかありません。この身近な人たちを通じて、心で感じる喜怒哀楽を知るのです。まだ、たくさんの言葉や知恵を身につける環境にありませんから、心で感じ、まずは好き嫌い(快不快)を選択できる脳を育てていくわけです。
水星のエネルギーを受け取る時期
次に水星からのエネルギーを受け取る時期になります。8~14歳は、小中学校、義務教育の時期ですね。ここでは、人として生きていく基本的なことを学習するので、知識が増え、その結果知恵が備わります。また、好き嫌いだけではなく得意不得意を知る脳が育ちます。この時期には、さらにモラルを学んで自己調整できる機会を持つことも大事です。
金星のエネルギーを受け取る時期
そして、金星からのエネルギーを受け取る時期になります。15~21歳は、高校、専門学校、大学前半期の時期で、成人するまでに相当します。(働き始め自立する人もいますが、雇用主は育成を意識する年齢だと思います。)この時期は、自我や欲求を満たしたい時期です。この時期に自由が抑えら過ぎると爆発、暴走することにもなります。
当たり前ですが、私たち人間は段階を経て発達していくわけです。しかし、早くたくさん学んだり経験すればよいわけではありません。
段階に応じた発達の仕方が出来ないと、心のバランスを崩してしまい、結果的には、自分らしく生きることが困難な人生を歩き始めることにもなりかねないのです。
心のバランスを崩す原因
心のバランスを崩す原因は、一言でいうと「弊害」です。
弊害は、自己であり、他者であり、大小ある社会から生じます。
虐待、いじめ、貧困、権利はく奪、不平等な環境など、自分に関わる人や所属する社会の中で受ける弊害によって、心身ともに傷つけられていくものです。
月、水星、金星、それぞれの時期で、顕著にみられる弊害があり、人生に残る傷は、特に大きな障害になります。
月の作用
月の時期は、やはり愛情が受けられないこと、これが何よりの弊害です。
「愛する」こと。
とても難しいことですね。一方的に愛するのであれば、比較的簡単にできることだと思うのですが、愛している気持ちが相手に伝わり、相手がそれを愛だと感じ受け取ってくれるように愛するのは難しいことです。
意志表示ができない小さい子どもは、特にそうですね。ただ、抱っこして抱きしめればいいのかと言えば、そうとも限りません。多くの親は、それがわかっているので、泣き方や表情などから子どもの意思を推察しようとするのです。これは、有効かつ必然、欠かせない方法の一つではあるのですが、相手にとって愛情と感じられなければ、愛情の押し付け、愛情の不足と受け取られ、心の傷として残ることになります。
水星の作用
水星の時期は、学習の機会を奪われること、これが何よりの弊害です。
人として生きるために必要な「能力を備える」こと。
関わる人、環境、社会が…すべてが先生です。と言うと、良いことだけを与え、悪いことを排除したくなるのも親の嵯峨でもあるわけですが、それは親の価値観で選り分けたものでしかありません。
この世は、「2」で成り立っています。
昼があるから夜がある、表があるから裏がある、東があるから西がある…というように、良いことを知るには悪いことも知らなければならない。しかし、悪いことをさせなければならないということではありません。知識として何が悪いことなのかを知る能力を身につけることが必要があるということです。
良いことと悪いことを知っただけでは十分な学習ではないということです。良いことを自ら選択できるモラルを学べる機会と認識し、社会で役に立つ能力を備えられなければ、この先の人生で心に傷をつけていくことになります。
金星の作用
金星の時期は、自分を愛せないこと、これが何よりの弊害です。
「自分を満足させる」こと。
義務教育を受け、色々な知識を与えられたことで、自分の価値観というものが形を成してきています。この時期には、好き嫌いも得意不得意もだいぶ具体化され、自分の意思を尊重したくなります。
楽しい、気持ちがいい、やりがいを感じるといった欲求を満たすことで、自分に余裕(豊かさ)を生みます。人間の質が上がるとも言えます。何かできるようになると、それは自信へと繋がります。
そして、健全に自分の欲求を満たすために、基盤となる月の時期の「愛情」と、水星の時期の「能力を備えること」が重要です。
ここで大事なことは、自分がやりたいか、やりたくないか…自分の欲求を満たし意思を確認する経験を重ねること。抑圧されたり、親に気を遣ったり、他の人と比べて取捨選択したり、楽しい経験がなかったりすると、不満となって心に傷を残します。
心の傷は、肉体についた傷が傷跡が消えても傷がついた事実は消えないのと同じで、消えることはありません。
しかし、心の傷が全部ダメなのかと言えば、そんなことはありません。生きていく上で、教訓あるいは納得のできる傷、思い出したとしても苦痛ではない傷、感謝の傷になっているのであれば、その時点で弊害ではなくなっているはずです。
まとめ:親も子も変わっていくこと
今回は、人は発達に必要な天体のエネルギー受け取って発達していくという占星術の考え方が、発達心理学者エリクソンの理論と類似していることを踏まえ、月、水星、金星が影響する時期について書いてみました。
0~7歳までの時期は、月のエネルギーによって、8~15 歳は水星のエネルギーによって、16~25歳は金星のエネルギーによって、人としての成長は助けられている。
子どもは、日々わずかの発達を重ねて成長していく。
人の成長は、気づけないほど、わずかである事が常なのですが、必ず昨日とは違います。
親も子も無意識のうちには、わずかであっても変わっています。
しかし、変わっていることを意識化できているかというと、どうでしょう。
昨日と今日が違うように、人も違うのだと思うことができれば、きっと親も子も柔軟に、フレッシュに生きることができるのではないかと思います。
偶然か必然か、親子として生きることになったこの関係。
この関係は、生命を得たものすべてが経験するもので、この関係から良いことも悪いことも経験します。良し悪しの比重は人それぞれですが、発達を促すために用意された関係であることは間違いと心理占星術では考えます。その方が、解決策を見つけるキッカケを掴めるからです。
親として、子どもとして、自分らしく人生を歩むために、変わっていくことを恐れず、認め、受け入れ、向き合っていくことができれば、今より少し幸せに近づくのではないかと思います。
2018年5月16日、天王星は牡牛座に入りました。価値観を変え、本当に幸せを感じられるような安心できる環境へと、人も環境も作り変えようとするでしょう。
他者にコントロールされる自分ではなく、自分らしく、幸せを感じて生きられるように、親も子も変容が求められている時代に入っています。
親と子の自立が、両者にとって理想的な関係で終わる日を迎えられるように…この時代を歩んでいきましょう。