◎ 社会的地位と責任を認識し人生を整える
point:決断/選択/実現
土星の段階では、現実をしっかりと見つめることが最重要となります。
これまでの人生の決着を見る時とも言えます。自分自身で決着をつけることもあるでしょうし、社会、環境、周囲の人々ととのかかわりの中で決着していくこともあるでしょう。
一つ前の木星の段階では、視野を拡げ、不足を補い、理想の人生を描いていく時期でしたが、この土星の段階は、「まとめ上げていく」というイメージになります。
最近では、定年が延長になったり、また逆に早期退職が求められたり、自らが選ぶことができたり、終身雇用の考え方が薄れたりと、決断や選択には、より個人差が生じやすくなりました。特に、コロナ感染症による社会の変革は大きく、本意ではなく強いられる決断、選択をせざるを得ないという状況かもしれません。
このような状況下で「まとめ上げていく」とは…どのように考えればよいか?
生きるために使える力だけを残すことです。使える物(者や金銭も含め)とせず、使える力と敢えて書いています。どんなに高価な物や金銭を持っていても、上手く使える力がなければ、役には立たないからです。
私たちは、この土星の段階を迎えるまでに、たくさんのことを経験し、能力と知恵を磨き、使える力を増やして来て、色々なことに対応できるようになっています。50年以上も生きて来たわけですから…。
この時期に試されるのは、その使える力を上手に使えるかどうかです。
例えば、
・必要な時に必要な力を使います。効果的に使います。
・決断や選択は、 自分と周囲を労わって使います。 現実を受け入れて使います。
・実現させる力を使います。丁度よく使います。望みのために使います。見極める力を使います。共感されるように使います。
若い時は、自分の感情や欲求が先にあって、抑圧や抑制としか受け取れなかった力ではありましたが、この土星の段階では、自分の置かれている現実と向き合わなければ、この力は使えないと悟ることができる時期です。
現実と向き合うことが出来た時、捨てさせられるのは、見栄やプライドです。実態が伴っていなければ、メッキは剥がれてしまうということです。
この段階で、「諦める」ということも、選択肢として出て来るかもしれません。ポジティブに捉えて、「絞り込む」と言うこともできるでしょう。
人生の半分か、4分の3を終えるくらいの年齢であり、この先の人生に必要なものだけが残されるということでもあります。
何も残らないかもしれない…と心配になる方もいらっしゃるかもしれませんが、何も残らないということはありません。
以前と同じ仕事や活動はできなくなってしまったとしても、周囲との関係が変わってしまったとしても、 最低限、肉体と精神、そして能力と知恵は残ります。
しかし、多くの人は、自分の使える力がどれほどのものか?を知るとともに、人生の修正が必要になります。もちろん、修正の具合については個人差がありますが、誰にとっても投げかけられているのは、現実の自分を認め受け入れる試練です。
必要ならば、
「一旦、肩の荷を下ろす」
そう決断するのに時間がかかるかもしれません。
しかし、 土星の段階には、それも取り入れてよい。
土星の段階は、残りの人生を生きていくための休場(きゅうば)でもあると私は考えています。