「ティンカーベル」(支配星:太陽)

この世に赤ちゃんが生まれて、その赤ちゃんが初めて笑うと、
一人の妖精が生まれ、光を放ちながら子どもたちのもとにやって来ます。
ティンカーベル 「私はティンカーベル!
私は、赤ちゃんの笑顔から生まれた妖精…
だから、子どもたちを幸せにするのが私の役目なの。」
(間)
「ピーターパンはね…
ベビーカーから落ちた時、誰にも気づいてもらえなかったの。
ううん…
気づいてもらえなかったんじゃなくて、気づかないふりをされたのかも…
わからないけど。
でもね、私がそばにいてあげる…」
(少し間)
「ピーターパンは、子どもらしい子どもでいなくてはいけないの。」
「ずっと、子どものままで、輝かなくてはいけないの。」
私みたいに…自由に…自分らしく。ずっと。」
ティンカーベルは、大人みたいに、お世辞を言ったり、気を遣ったりしません。
自分の気持ちだって、自由に表現します。
「<ウェンディ>になんか、優しくしてあげたくない」って思ってる。
ウェンディは、ピーターパンに誘われて、子どもの島にやってきた女の子。
ティンカーベルは、当然ウェンディにだって嫉妬心を隠すことなくぶつけます。
でも、大好きなピーターパンのお願いだから、不満な顔をしながらも、仕方なく手伝っているところが憎めないのです。

そんなワガママいっぱいのティンカーベルだけど、本当は勇気と忠誠心あふれる妖精なのです。
(少し間)
それは、ピーターパンと子どもたちの宿敵…フック船長が地下の家に忍び込んで来た時のことです。

ピーターパンが眠っている間に、フック船長はピーターパンたちがお薬と呼んでいる水に毒を入れたのです。
そうとも知らずに、ピーターパンが飲もうとした、まさにその時!
ティンカーベルは、ピーターパンの口びるとその水の間にすべり込みました。そして、その水を飲み干し、自分の命と引き換えにピーターパンを救ったのです。

ティンカーベルの放っていた光が、どんどん弱くなっていく。
哀しみを堪えきれないピーターパンの瞳からあふれる涙…それを見ると、ティンカーベルは優しく静かに微笑み、そのまま息を引き取りました。

(間)
でも、ティンカーベルは妖精!
子どもたちが妖精の存在を信じて、必要としてくれるならば、もう一度よみがえり、太陽のように輝く。光とともに命を吹き返すことができるのです。
だから、ピーターパンは、必死に子どもたちに呼びかけ、<妖精の存在を信じる心>を一生懸命集めました。

ティンカーベル すると…(ぐったり~目に輝きがだんだん戻る)
「ピーターパン…聞こえるようだわ。」
「たくさんの子どもたちの声が…」
「声だけじゃない…拍手?これは拍手だわ。…
ピーターパンありがとう。もう大丈夫。」
(間)
ティンカーベル。
赤ちゃんの笑顔から生まれた妖精。
だから、
いつだって、太陽のように輝き続け…
子どもたちに生きるチカラを届け…
強い意志と勇気をもって…
子どもたちを、命がけで守るのです。
(間)
ティンカーベル…
赤ちゃんが、また一人、この世に生まれて、いま、初めて笑ったよ。