「3びきのこぶた」(支配星:火星)

子どもたちは、いつか独り立ちしていきます。
その日のために…
子どもたちを育んでいるでしょうか。

一人ひとり、
生きていくために必要なものは違います。
その子に必要なものを…
ちゃんと備えてあげているでしょうか。
(少し間)
『3びきのこぶた』

お母さんのもとを離れなければならなくなった3びきのこぶたたち。
ある日突然、生きる力が試される人生が始まりました。
末っ子(♎) 「まず、住むところを造らないとね。」
長男(♑) 「面倒だなぁ…あー面倒だ!」
次男(♋) 「仕方ないよ。居場所は必要だからね。」
(少し間 ピアノ待って)
末っ子 「ねぇ、大きい兄ちゃんは、どんな家にするの?」
長男 「どんなって、すぐ出来るヤツにするさ。俺は立派とか関係ないんだよ。余計なものも要らないな。寝れたらそれでいいんだ!」
末っ子 「じゃあ、小さい兄ちゃんは?どんな家にするの?」
次男 「ボクは、目立たないのがいい。みんなが住んでるような家にするよ。のんびりできるあったかい感じの家がいいんだ。チビはどうするの?」
末っ子 「う~ん、ボクは、まず色々調べてみようと思ってるんだ。完成図を描いて、それに必要なものを集めて、少し時間はかかるかもしれないけど、素敵な家を建てたいな。」
長男 「おい、そーんなに時間かけてたら、オオカミが来て食べられちゃうぞぉ(笑)」
次男 「できるまでの間、ボクのところに居ればいいよ。」

末っ子 「わぁ、小さい兄ちゃん、ありがとう!大きい兄ちゃんも心配してくれてありがとう。ぼく、なるべく早く作るね!」

こうして、3匹は別れ、それぞれ家を建てるために行動を開始しました。

ところが…大変!
この3びきの話をオオカミが聴いていたのです。

オオカミ(♈) 「聴いたぜ!やったぁ…3びきも。
俺様の餌。(ニヤニヤ)絶対、旨い!
欲しい!全部欲しい!絶対欲しい!
3びきのこ・ぶ・た…逃さないぞ!絶対!

俺様が望めば、手に入るのさ。

そうと決まれば、決行あるのみ。それしかない!」

オオカミは、こぶたたちにとって天敵です。
いままでは、お母さんが守ってくれていたけれど、これからは自分でなんとかしなければなりません。

(間)
突然、オオカミの襲撃は始まりました。

最初に狙われたのは、大きい兄ちゃん。

オオカミ 「これでも家か?吊るしてある藁の束と変わらないじゃないか。一吹きだ!」
「ビューッ!」
「ヘッヘッヘッ…」
「おっ!こら!どこへ行こうってんだい?待てぇ~!」
(間)
「ふう…」
「仕方ない、よし、明日は別のヤツのところに行くぞ。」
オオカミは、次の日、小さい兄ちゃんを襲いしました。
オオカミ 「こりゃ、ずいぶんと隙間の多い家だな…まぁ、ありがたいがな。俺様はスリム。あいつらみたいにまるまると太っちゃいないからな。へへ」
「腹をへこまして(息を吐く間)入りますよぉ」
「こんちはぁ。こんちは!」(ちょっと嬉しそう)
「おっ!こら!どこへ行こうってんだい?待てぇ~!」
(間)
「ふう…」
「仕方ない、よし、次は残りのチビのところへ行くぞ。
明後日決行だ。」
オオカミは、その次の次の日、チビのところへ行きました。
ところが、家があまりにも立派だったので、家に入るのを止めて、外へ連れ出す作戦に変更しました。
オオカミ 「おい、リンゴ取りに行こうぜ。5時にリンゴの木の下で待ってるからな。」
チビは、約束の時間が5時だったので、4時に取りに行きました。当然、5時に来たオオカミは、チビに会うことはできませんでした。
チビの方がオオカミよりも一枚も二枚も上手です。

オオカミは、チビを外へ連れ出すことを諦め、煙突から家の中に入ることにしました。

オオカミ 「へへぇ、どんなに頑丈な家だって、煙突には扉もなければ鍵もない…バカな奴め。」
「あーあいつは、若い分ますます旨いに決まってる。想像するだけでたまらない。さぁ、行くぞぉー。」
しかし、チビはオオカミの行動を、よーくわかっていました。

オオカミが、勢いよく煙突に入ると、
次の瞬間です!

あまりに勢いよく降りたので、オオカミは、そのまま暖炉に架けられている煮えたぎった大鍋の中へ落ちてしまいました。

オオカミは、大やけどを負いながらも鍋を飛び出し、大慌てで逃げて行きました。

長男 「やったぁ!チビすごいぞ!」
次男 「大成功だ!チビ偉いね。これからは、チビを見習うよ!」
末っ子 「でも、兄ちゃんたちがオオカミのことを教えてくれたおかげだよ。
大きい兄ちゃん、小さい兄ちゃん、ありがとう。」
3びきのこぶたたちは、そう言って感謝の気持ちを伝え合いました。
子どもは、自分で動いて、失敗して、育っていく。
想像しているよりも、
考えているよりも、
たくさんのドキドキと出会いながら、心を強くしていく。

独り立ちのその日のために、
一人で歩き出した後のために、
子どもたちの挑戦をそっと見守ってあげたい。

勇気は、優しさが創るもの。
強い意志は、深い愛が創るもの。

だから…きっと、大丈夫。