「ジャックとジル」(支配星:射手座)

顔を上げて空を追いかけてみたら、
私たちが空に包まれていることがわかるでしょう。
空と大地の間で、
私たちはたくさんの喜びや悲しみと出会い、
共に生きるための愛を見つけているのです。

ジャックとジルはいつも一緒。
ジャックとジルから夢が咲く。

ジャックとジルが、
広い空に包まれた高い丘へと駆けていく。
(間)
ジャックとジルが丘に登ったのは、丘の上の井戸に水を汲みに行くためでした。大きなバケツを持って。

二人は、地面を大きく蹴って、リズムよく駆けあがって行く。
楽しさいっぱいの笑顔とともに、急いで登って行きました。

思春期手前
ジャック(11歳)
「ジル、あの雲に飛び乗るよ!」

思春期手前
ジル(10歳)
「無理!無理よ、無理。」

ジャック 「大丈夫だよ!ついておいで。
一気に丘を駆けあがるよ!」
ジャックとジルは駆け出しました。
ジル 「わぁ、雲が近づいた!凄いわ!雲に飛び乗ったら、どこにでもいけるわね。」
ジャック 「うん!太陽に会いに行こう!」
ジル 「お月様にも会える?」
ジャック 「うん!」
ジャックのそばにはジルがいる。
二人はいつも一緒です。
ジャックが悲しくなれば、ジルが笑ってみせる。
ジルが悲しくなれば、ジャックが笑ってみせる。
丘の上の井戸に着くと、大きなバケツに水を汲み、二人で一緒に持ち上げました。
そして、ジャックがバケツを持って運びます。

けれども、上りと下りは大違い。

ジャックが歩き出した、その時です。

勢い余って足を滑らせ、水いっぱいのバケツが宙を舞い、ジャックは一気に下まで転げ落ちてしまいました。
それに気づいたジル。
すぐさまバケツを取ろうと手を伸ばしました。
ところが、その途端、ジルも大きくよろめいて、そのままくるくる回転しながら落ちていってしまったのです。

ジャック 「いててててて…いたいなぁ~頭がいたい…」
ジル 「あいたたたた…」
それでも、ジャックは、すっくと立ち上がり、家に向かって一目散に駆け出しました。
一方、ジルは、気の抜けた表情でその場にペタンと座り込んでしまいました。
ジル 「お空、遠くなっちゃった…」
そうつぶやくと、急に淋しい気持ちになって、ジャックが恋しくなりました。

ジルが家に帰ると、ジャックは頭に怪我をしていて、お母さんにお酢の湿布を貼ってもらっていました。

ジル 「ジャック、大丈夫?」
ジャック 「うん。平気さ!また行くよ。今度はもっと上手にね。」
(間 曲の区切り待って)
ジャックとジルはいつも一緒。
ジャックとジルから夢が咲く。

ジャックがいるから、ジルがいる。
ジルがいるから、ジャックがいる。
(少し間)
どんなジャックにも似合ったジルがいるものさ。

時に言葉を掛け合い、
時に知恵を出し合い
適度なバランスを一緒に探りながら、
私たちの心の中に、
ジャックとジルはいつも一緒にいるのです。

この大きな空に包まれて、
たくさんの夢を咲かせるために。