占星術は、占い鑑定や星占いとして広く活用されている技法で、歴史はとても古いものです。その起源を語るには紀元前4000年頃の古代バビロニアにまで遡らなければなりません。
もともとは、チグリスユーフラテス川流域に移り住んだシュメール人が、農耕のために星の動きを観測しはじめ、アッカド人、ペルシア人がそれを引き継ぎ発展させていったと考えられています。その後は、農耕のみならず、統治戦略に役立てられるようになり、王や王子の運命などを予測するものとしても活用されるようになっていきました。このころから、基本的な技法はかわらない…人類の叡智の証明とも言えるものです。紀元前3、4世紀頃には、東西の交流が盛んになるととともにギリシャ文化が普及していく中で、天文学への道筋が創られていきました。当然のことながら、数学も発展していきました。
占星術は、21世紀の現代まで多くの科学が解明されてきた人類の歴史と、密接に絡み合い伝承されてきたものなのです。「数字では証明することはできないけれども、無視できない神秘性と実証性を持つ技法」と評価した科学者もいたほどです。多くの偉大な天文学者が、自身の科学的研究の伴奏者として手放せなかった継承理論でもあるのです。
また、占星術の理論は、20世紀に入る頃には心理学の分野でも理論の構築と体系化に繁栄されてきました。そして、古代から受け継がれてきた理論は、現代に生きる人間の知性に耐え得るものとなっていったのです。
こうして、昨今では、占いとして活用するものではなく、「心理占星術」「職業占星術」「医療占星術」など、細分化した研究分野にも力を注ぐ占星術家が増えてきました。