「砂の妖精(ザントマン)」(支配星:乙女座)

子ども
(男の子 8歳)
ねぇ… ママ、砂の妖精ってホントにいるの?
お母さん なぜ…?(微笑み)

だって、ボクちっとも眠くなんてならないのに、一度も金色の砂をかけられたことなんてないんだもん。

ねぇー、子どもは、どうして早く寝なくてはいけないの?

どーして、大人は子どもを寝かせようとするの?

ボクは、眠れないから 悪い子?

砂の妖精。それは、子どもたちを眠りへと誘う妖精のこと。
もともとは、眠りの時を見守る優しい妖精でした。

でも、なかなか寝ようとしない子どもたちに手こずっていた大人たちが、砂の妖精のイメージを変えてしまったのだと言われています。
砂の妖精が、恐ろしい妖怪であるかのように。

お母さん ぼうや、あなたはいい子…私が心から愛する素敵な子ども…
だから、金色の砂はね、毎晩ママの愛に変わるのよ。
子ども そうだったんだねぇ…
だから、ボクは目が見えなくならないんだぁ…
ママの愛かぁ…(安心して、クスっと笑ったような感じのフェードアウト)
子ども ママ… なんだか目が重たくなってきた… 
マ マ…( 眠りに落ちていく感じ)
砂の妖精が、この子の瞼の上に降りて来たのです。
そして、金色の砂を袋から取り出して撒いたのでしょう。
だから、もう、朝まで目を開けることはありません。
砂の妖精が、眠りの時間へといざなうのは、
子どもたちの健やかな成長のため
子どもたちの安心して生きる未来のため

なぜなら、希望を創り出す夢の時間だから。

(間)

子どもたちには、夢の時間が必要なのです。

夢の時間は、現実世界で傷ついた心も身体も解きほぐし、修復する力を持っている。
そこで、子どもたちは、心と身体の弾力を取り戻し、衝撃を弱める能力を育んでいる。

そして、朝を迎えようとする時、夢の時間から優しく押し戻され、子どもたちは、明日という日への準備を始めるのです。

実は、大人だって同じこと…
私たちは、眠りの世界で心と身体と能力を修復して、活力を取り戻しています。
そして、目覚めによって、日々の時間の流れの中に戻るよう促され、それぞれの活躍の場へと向かい勤めを果たそうとしているのです。

だから、
自然のサイクルを感じ…
時のサイクルを宿すことで、
共生し合うことの喜びを知り、
誰かのために
私のできることを果たしたい…

そう願う気持ちが、私たちの中に芽生えるのです。

砂の妖精…
日々、私たちを整え、一人ひとり備わった特別な才能を引き出すために、その原動力として働いている…
きっと… 
たぶん…