「かぼちゃの馬車」蟹座(支配星:月)

シンデレラ (鐘の音が遠くから聞こえてきて)
「もう? 12時の鐘の音…
ゴッドマザーとの約束の時間だわ。」
シンデレラは、慌てて王子様に別れを告げ、駆け出します。
シンデレラ 「あっ!ガラスの靴が…」
時間がありません。
ガラスの靴を残したまま…シンデレラは、お城を後にします。
(少し間)
このガラスの靴が、シンデレラの運命の鍵を握ることになるのです。
(少し間)
シンデレラは、ずっと奴隷のように扱われ、言いつけを守り、灰まみれになって働く生活でした。
暗い気持ちで過ごしてきたこれまでの生活の中には、ひとすじの光さえも感じることはできませんでした。

これまで、愛し愛され、寄り添いながら過ごせる自分の居場所など、シンデレラにはなかったのです。
きっと、心を許し合える家族との暮らしを夢見ていたことでしょう。

唯一の喜びは、屋根裏部屋で、歌を口ずさむことや、ネズミに微笑みかけお話をすること…。

ゴッドマザー 「シンデレラ、あなたのために、私は夜になれば月から降りて参りましょう。いつでも、あなたの壊れそうな心を連れて私の元へいらっしゃい。」
ゴッドマザーは、いつもシンデレラに愛の言葉を注いでくれました。

ところが…そんな日々が、いま、まさに運命の導きによって変わろうとしています。
王子様が、「ガラスの靴の姫を探せ!」と、国中に命令を出したのです。

ガラスの靴。
それは、シンデレラの忘れ物…
使者 「これは誰のものかぁー!」
街中が大騒ぎ…当然シンデレラの家にも使いが…
姉たちであるはずがありません。
(間)
そう…ガラスの靴がピッタリ合うのはシンデレラ。
ガラスの靴のように、透き通った心のシンデレラに示された道…
あの夜、舞踏会で出会った素敵な王子様とともに歩む人生のはじまり。
(少しの間)
シンデレラの人を愛する清純な心と喜びが、現実の世界に映し出されていこうとしています。

心を司る月の光に照らされて…

シンデレラ…旅立ちの時。